氷点下の朝、ポンプが動かない?栃木特有の「乾燥と低温」から設備を守るプロの点検ポイント

車のフロントガラスが真っ白に凍りつく、栃木県の1月、2月。 工場やビルの管理を任されている皆様にとって、一年で最も気が抜けないシーズンの到来です。


「水道管には保温材を巻いたから大丈夫」 そう安心していませんか?


実は、冬の設備トラブルで最も手痛い損害を生むのは、配管ではなく「ポンプ本体」の故障です。もし、朝一番の始動時にポンプ内部が凍結していたら……スイッチを入れた瞬間に機器が破損し、その日から工場のラインやビルの給水がストップしてしまいます。


修理部品が届くまでの数日間、業務停止を余儀なくされるリスクは、経営において絶対に避けたい事態ではないでしょうか。


本記事では、北関東特有の気候を知り尽くした建設業のプロの視点から、冬本番前に確認すべきポンプ設備のメンテナンスポイントを解説します。



栃木の冬はなぜ「ポンプ」にとって過酷なのか?

「北海道や東北に比べれば、栃木の冬なんて……」 そう思われるかもしれませんが、実は設備機器にとっては、北関東特有の気象条件こそが過酷な環境と言えます。理由は大きく2つあります。


1. 放射冷却による「急激な」温度低下

栃木県、特に平野部では、日中は晴れて暖かくても、夜間から明け方にかけて地表の熱が奪われる「放射冷却現象」が頻発します。 この時、気温が氷点下になるだけでなく、金属製の設備自体が外気以上に冷え切ってしまうことがあります。


徐々に冷えるのと違い、短時間で急激に温度が下がるため、ポンプ内部に残った水が膨張するスピードに鋳物(いもの)の筐体が耐えられず、「朝起きたら割れていた」というケースが後を絶ちません。


2. 「からっ風」による過乾燥

もう一つの敵が、男体おろしに代表される「からっ風」です。 低温に加え、極端に湿度が低い乾燥した風が吹き付けることで、ポンプの接合部に使われているゴムパッキンやガスケットの水分が奪われ、硬化・収縮が進みます。


これにより、本来あるべき気密性が失われ、そこから冷気が入り込んだり、再始動時に水漏れを起こしたりする原因となります。



水道管だけじゃない!冬期トラブルの3大盲点

「配管の保温は完璧」という現場でも、ポンプ本体のケアは見落とされがちです。 ここでは、プロが現場でよく目にする、冬期特有の「3つの故障パターン」をご紹介します。これらは修理費用が高額になりやすいため、特に注意が必要です。


1. ケーシング(本体)の破裂

最も被害甚大なのがこれです。ポンプの中に水が満たされた状態で凍結すると、氷の体積膨張によって、鋳鉄製のケーシング(外側の殻)に亀裂が入ります。


配管なら一部を交換すれば済みますが、ケーシングが割れると**「ポンプ丸ごとの交換」**が必要です。 特に冬場はメーカーも品薄になりがちで、納品まで数週間待たされることも珍しくありません。その間、操業停止という最悪のシナリオが待っています。


2. メカニカル シールの固着・破損

ポンプの軸封装置である「メカニカルシール」。ここは非常に精密に作られており、わずかな水分で潤滑しています。 この水分が凍結すると、回転部分と固定部分が氷で張り付いてしまいます(固着)。


この状態で無理にモーターを回すと、シール面が剥がれたり割れたりして破損します。 「氷が溶ければ動く」と思っていても、一度傷ついたシールからは水漏れが止まらず、結局は部品交換となってしまいます。


3. 潤滑油の粘度上昇による「トリップ」

凍結までいかなくとも、低温はオイルに悪影響を与えます。 ギアポンプや大型ポンプで使用する潤滑油は、温度が下がると**水飴のようにドロドロに硬く(粘度上昇)**なります。


オイルが硬いまま始動しようとすると、モーターに過大な負荷がかかり、過電流でブレーカーが落ちたり(トリップ)、最悪の場合はモーターコイルが焼き付いてしまいます。 「冬の朝だけブレーカーが落ちる」という場合は、この現象を疑う必要があります。



【保存版】設備担当者がやるべき冬支度チェックリスト

本格的な寒波が到来する前に、以下の3点は必ず現場で確認してください。これだけで、突発的な凍結トラブルの8割は防ぐことができます。


「水抜き(ドレン)」の徹底とバルブ確認

予備機や、夜間・休日に停止するポンプについては、ケーシング内の水を完全に抜くのが最も確実な対策です。 ただし、ドレンコック(水抜き栓)を開けるだけでは不十分な場合があります。サビやゴミで穴が詰まり、水が残っているケースがあるため、針金などで突いて水が完全に出切ったか確認してください。


保温・凍結防止ヒーターの「通電チェック」

「ヒーターは巻いてあるから大丈夫」と思っていても、夏場の間に断線していたり、コンセントが抜けていたりすることが多々あります。設定温度で正しく作動するか、保温材が濡れて劣化していないかを点検してください。


ポンプ室の「隙間風」対策

換気扇のルーバー(羽)が開いたまま固着していたり、配管貫通部の隙間から冷気が吹き込んでいたりすると、特定のポンプだけが局所的に凍結します。不要な隙間は塞ぎ、冷気が直接ポンプに当たらないよう対策しましょう。


「凍っているかも?」始動時の判断が設備の寿命を決める


もし、氷点下の朝に出勤して「ポンプが回らない」あるいは「異音がする」という状況に直面したら。 その時の「最初の行動」が、修理費数万円で済むか、数百万円の設備交換になるかの分かれ道です。


【絶対にやってはいけないこと】

「スイッチのON/OFFを繰り返す」ことだけは避けてください。

内部が凍結して軸がロックされている状態で電気を流し続けると、モーターコイルが過熱し、一瞬で焼損(ショート)します。


【プロが実践する確認手順】


①電源を切る

まずブレーカーを落とし、安全を確保します。

②手回し確認

モーターのファンやカップリング部分を手で回してみます。「ビクともしない」場合は凍結の可能性が高いです。

③解凍

急激に炙るのは厳禁です。ぬるま湯をかけるか、電気ストーブ等で「ゆっくり」暖めてください。



まとめ:春までノートラブルで稼働させるために

栃木県の冬は長く、ポンプ設備にとっては過酷な環境が続きます。 日常的な点検は社内でも可能ですが、メカニカル シールの摩耗具合や、ベアリングの劣化診断といった「精密な判断」は、専門家の目が必要です。


トラブルが起きてから慌てて業者を探すと、足元を見られたり、部品待ちで長期間ラインが止まったりと、大きな損失につながります。


栃木の水インフラを守って60年。冬の設備対策は福富工業へ

私たち福富工業株式会社は、昭和38年の設立以来、栃木県全域でポンプ・水処理設備の設置・メンテナンスを行ってきました 。


荏原製作所 特約店としての技術力: メーカー認定の確かな技術で、正確な診断と純正部品による迅速な修理対応が可能です 。


特定建設業許可を持つ一貫対応: ポンプ交換だけでなく、それに伴う配管工事、電気工事、基礎工事までをワンストップで対応。お客様の管理の手間を最小限にします 。


地域密着のスピード対応: 宇都宮を拠点に、県内全域の気候や特性を熟知しているからこそできる、最適な「冬支度」をご提案します 。


「うちのポンプは大丈夫かな?」「古い設備だから心配だ」 そう思われた方は、本格的な冬が来る前に一度ご相談ください。プロの技術者が現地を確認し、最適なメンテナンスプランをご提案いたします。


【お問い合わせ】

福富工業株式会社 お電話またはウェブサイトのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。 [お問い合わせページへのリンク]